新・桂庵雑記

Jazz演奏やロードバイク、山や海など、桂庵(けいあん)が趣味に関することを書き散らしてます

Venovaがやってきた

YAMAHA YVS-100 "Venova" といっても、ほとんどの方がご存じ無いだろう。管楽器界の大手メーカーたるヤマハが、2017年4月に欧州で発売を開始した、変わった形の管楽器のことである。

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吹き込み口のすぐ下に、見慣れない管が付いていることを除けば、リコーダーとサックスのコラボレーションと表現できるかもしれない。ソプラノサックスと比べてみよう。

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この楽器が欧州で発表された時の、紹介記事を見ると、この楽器の概要を知ることができる。

www.itmedia.co.jp

さて、これを書いている時点(2017年6月5日)では、日本でこの楽器を発売するというヤマハからのアナウンスが出されていない。だが、こういうキワモノ楽器が好きな僕としては、簡単に入手できるものなら、とりあえず入手してみたいと思う。このため、英国の通販会社に発注して、無事にVenovaは我が家へやってきた。

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ちなみに、僕は基本的に英語が書けないし、話せない。多少読むくらいが限界。そんな僕でも、問題なく取引ができた。ちなみにPaypalで日本円での支払額は、送料も含め1万2千円台。現地通貨での価格は、楽器本体が69.17ポンドに、送料が12ポンド。

 

 取扱説明書などは、日本語が完備しているので、ヤマハがその気になれば、いつでも国内販売できるように思えてしまう

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ソプラノサックス用の4Cのマウスピースと、Venova専用のリードと、Venova専用のスワブが付属品に含まれている。専用スワブは、上の紐部分が金属チェーンになっていて、湾曲したVenovaの内部を重さで通してゆくようになっている。

 

さて、少しずつ吹いてみての感想。運指はリコーダーともサックスとも、微妙に異なる。違う楽器なのだから、当然と言えば当然なのだが、サックスからの持ち替えで使うには、結構な練習が必要だと思う。運指も、説明書に書いてはあるものの、特に半音については、自分で工夫してより良い指使いを探す方が良い。なぜなら、全音の音程は悪くないが、半音の音程が、説明書のとおりだと微妙なのだ。アンブシュアで調整すると説明書では書いているが、指使いで何とかできるなら、その方が楽。実際、F♯は説明書どおりではない運指の方が、より楽に音程を合わせることができる。

 

音量は、それなりに出る。自宅で吹いていたら、某同居人から「家で吹くのは厳しい」と言われてしまった。ただし、ソプラノサックスほどの音量にはならない。

 

 マウスピースは、付属のマウスピースで問題なく音が出せる。しかし、手持ちのソプラノ用マウスピースを付けようと思うと、一気にハードルが上がってしまう。管の径が細くて、クラウドレイキーやオットーリンクだと、緩すぎるのだ。標準状態では、Oリングでマウスピースを固定しているが、サックス同様にネックコルクを巻いてみたいと思っている。しかし管体が樹脂製なので、サックスと同じように松脂で固定というわけにはいかないだろう。

 

 リードは、まだ付属品以外のものを試していない。付属品は、本体とのバランスが良いので吹きやすい。ただし、音色は自分の好みでは無い。このため、これをサックス用の葦のリードに換えたら、どう音色が変わるのかが今後の楽しみ。