メイン楽器はトランペットだと強調しておこう
サックスについて書くことが多いが、たまには本業の楽器のことも書いてみよう。
現在、トランペットはB♭管が5本ある。このほか、ポケットトラ ンペットが1本、フリューゲルホーンは2本、他の金管楽器もあるので、金管楽器だけで10本所有している。でもまぁ、これくらいなら少ない方かもしれな い。知人は滅多にフリューゲルを吹かないのだが、それでもフリューゲルだけで6本持っていると言っていた。
画像は、メインで使える楽器だけ3本を撮影したもの。支柱の数が 2-1-0 と連番になっているのは、別に狙った訳じゃない。
一番下のラッカーの楽器は、ヤマハのYTR-6310Zという、今でも販売されている現行モデル。これがまた、極端な性質の楽器なのだが、僕はこれで喇叭 (らっぱ)を始めている。何が極端かというと、楽にバリバリ鳴るということに重点を置いて作られているところ。マーチングに向いているとのことで、アメリ カではZ(ズィー) Horn という呼称で有名らしい。この楽器、とにかく軽い。1キロも無いので、重量級のBachを持った後など、その軽さに感謝感激雨あられといったところ。当 然、管体の金属板は薄い。だから簡単にバリバリ鳴る。楽で良いのだけれど、これで深みのある音を出そうと思うと、それはそれで技量が必要だということに、 喇叭を始めて1年たってから気が付いた。この楽器を使っている間、自分の出す音が嫌いで、サックスを始める後押しをしてくれたという意味では、ありがたい 経験でもある。
ただし、この楽器が悪い楽器ということではない。この楽器でジャズ演奏の仕事をこなすプロの方もいらっしゃるので、全ては腕前の問題なのだ。
真ん中は、6310Z の後のメイン楽器となったSchilkeの S32 SP というモデル。新品で買うと、かなりの値段が付くものだが、中古で買ったので、それほどの散財はしていない。これは良いものだ。
素直な楽器なのだが、懐が深い。だから、多少雑に吹いても、それをカバーしてくれる。これまでの僕のライブ演奏は、ほとんどがこの楽器を使っていた。この 楽器で演奏していて、下手を打っても、誰も楽器が悪いためとは思わない。全て自分の腕前に起因すること。自分にも他人にも言い訳できない楽器ということ で、退路を断つ思いで入手したことを思い出す。
ちなみにSchilkeというのはアメリカの工房なのだが、ヤマハがトランペットを作り 始めてしばらくの間、提携していたところでもある。このため、ヤマハのトランペットの中にはSchilkeの影響が感じられるモデルが複数あり、 6310Z もその一つだった。だから、6310Z からSchilkeに楽器を換えた時、あまり違和感は無い。重さも、軽い部類に入るだろう。
これに対し、違和感があったのは、一番上に写っている楽器と、その楽器を買うときに下取りに出したBachの喇叭。Bachといっても、台湾製Bachや 定番180ML37SPとかではなく、ウィンドボナというレア物だった。ウィントン・マルサリスはモネットを使っているが、それより前に使っていたのが、 そのウィンドボナという楽器。これがまたジャジャ馬で、僕ごときでは扱いきれないと諦めて手放した。
では、そのジャジャ馬を下取りに入手した一番上の楽器は何か?
これも、ある意味で恐ろしい楽器なのだが、それについてはまた書く機会があるだろう。