ひねくれ音楽用語(2)
かつてtwitterに投稿していたものはここまで。そのうち、気が向いたら続編を書くかもしれません。
TAB譜:音楽の世界に入った若者ベーシストが、その先に進めないようにと、先輩ベーシストの悪だくみで巧妙に仕掛けられた足かせ。この足かせを自ら解除し、五線譜やコード譜に慣れなければ、他の世界には進めない。
個人レッスン:講師との組み合わせ次第で、精神修養の場から娯楽の場まで、ひどい講師だとボッタクリ営業の場から放置プレイにまで幅広く変化可能という、奥ゆかしい行事
デュオ:バンド編成の極北。2人しか居ないと、誤魔化しが効かないし、聴衆の耳を惹きつけるのも大変。それに、喧嘩した場合に仲裁してくれるメンバーが居ないから、解散まで行ってしまいがち。
ドリアン:これを見てトゲトゲの果物を思い浮かべた貴方は、音楽理論などという如何わしい教えに染まっていない、純粋な人だ。染まっちゃった人は、これを見ると「3度をフラットさせて、あと、ついでにどれをフラットさせたろか」なんてハァハァ妄想する。
ポケットトランペット:管を何周にも巻くことで、バスケットボール大の大きさを実現したトランペット。 手乗りサイズなので、バスケットボールのようにシュートすることも可能だが、リングネットに引っかかりやすいので、お薦めできない。
ライブ:打ち上げで飲むビールを美味しくするための、準備運動。
Fly me to the moon:エヴァンゲリオンのラストテーマとして作曲されたわけじゃない。
桜:1月から4月にかけ、J-POPの人々に目を付けられ、やたらと花を散らされるというイジメの対象となる、気の毒な樹木。
メタル:部品の材質を表す言葉。特にサックス奏者の場合には、マウスピースの材質を指している。特定の音楽ジャンルを指すと勘違いする人が、まれに居る。
ゲーマン:ミュージシャンが格好つけて言う ことがまれにあるが、「5万円」のこと。ゲーはドイツ語でのGであり、ドレミファソラシドでドから5番目のソを表す。でも、そんな恰好つけたがる程度のミュージシャンだと、ギャラはゲーマンよりはるかに少ない。
Take5:比較的有名なジャズの曲だが、色々と面倒くさい曲なので、リクエストすると演奏者から嫌がられる。
フリューゲルホーン:古くなったトランペット。長くトランペットを演奏していると、徐々に金属が柔らかくなって延びてゆき、10年くらいたつとこんな形になる。音色が元のトランペットより柔らかい。
オルガン:ジャズ愛聴家の中では、これの入った演奏を嫌う人が多い楽器。前置詞に「スターリンの」と付けると、別の意味で嫌われることがある。
アルトサックス:管楽器を演奏してみたいという人の多くが、その見た目の格好良さと手頃な大きさに騙され、つい買ってしまうという、詐欺まがいの楽器。金切り声や不快な騒音はすぐ出せるが、そうじゃない音を出せるようになるには、地道な練習が必要。
竿モノ:ギターやベースといった、竿状の指板を持つ楽器の総称。だからといって、ギターもベースも超絶技巧で弾ける男性に向かって「よっ、竿師」などと 声をかけてはいけない。
譜面台:ライブ演奏で、ステージを見苦しく演出するための小道具。
ひねくれ音楽用語(1)
辞書パロディの元祖的存在「悪魔の辞典」にヒントを得て、しばらく前に、”初心者向け音楽用語”というハッシュタグを付け、決して初心者向けとは言えない音楽用語(?)ネタを、twitterに書いていました。そのなかから、改めて世に曝してもいいかなと思えるものを、いくつかピックアップします。今回はその第1弾。
なお、一部、初出から編集しているものがあります。
サックス:特定の楽器個体に惑溺するプレイヤーの多い木管楽器。溺愛するあまり、自分の楽器に女性名を付ける男性がいるので、ジャズ隆盛期のアメリカで、ジャズ評論家がサックスを「金属のペニス」と評していたことは 内緒にしておこう。
僕の好きな"Just Friends"
10年前に、僕がジャズの演奏に足を踏み入れて以来、最も好きな曲の地位をキープしているのが、"Just friends"というスタンダードナンバー。1930年代に作曲された曲なので、色々な演奏者が録音しており、名演奏も多い。
歌詞はというと、恋人だった二人が今日からは只の友達になるという、切ないものだが、結構豪快に演奏されることも多い。僕自身も、ジャムセッションでよく演奏するが、豪快に演奏する方が「らしい」気がする。
しっとりとした方だと、"Charlie Parker With Srings"におけるCharlie Parkerの演奏は当人も周りも認める名演だ。オーケストラをバックにしたParkerのソロは、今となってはその演奏スタイルこそ古く感じられるが、美しくも凄い。
豪快系の方になると、僕のような凡人にも「こんな風にやってみたい」と感じさせてくれる、 もう少し親しみやすい快演が多く登場している。そんな中でも、一二を争うくらい僕が好む演奏が、Dexter Gordonの1970年代に録音したもの。Niels Pedersenのがっちり固めた通奏低音と、Horace Parlanのスインギーなピアノに乗り、引き締まったテナーの音色で次から次へと紡ぎだされるフレーズの奔流に、つい引き込まれてしまわないだろうか。
認めたくないものだな、自分自身の滑舌の悪さというものを
デスクトップPCやノートPCだと、僕はずっとMS製OSのユーザーだ。だが、タブレットは i Pad 2 と i Pad mini をずっと使っている。
i Pad 2 は2011年に製造されたため、もう5年使っている計算になる。最近、動作が遅くなることが多い。miniの方は4年くらいだが、こちらの方が重症。タッチパネルで反応しない部分があったり、動作が不安定になり勝手に画面がスクロールしたりする。
さすがに、ぼちぼち次を考えないといけないと思い、先日 i Pad Proの9.7 inch版を購入。環境設定に手間がかかるかと思ったが、i cloud を利用すると、勝手に以前の環境を再現してくれたのは、うれしい誤算。
ところで、i Pad proの初期設定では、" Hey Siri "という音声を i Pad に向けて話すという儀式がある。ところが、僕が何度言っても「聞き取れませんでした。もう一度お願いします。」と言われてしまうのだ。
確かに僕は滑舌が悪い。昔から、自分が話したつもりの言葉が、聞く側には別の言葉として聞きとられていることがある。我ながら、嫌になるのだが、未だに何ともなっていない。
結局、i Pad pro の初期設定が終わるまで、" Hey Siri "と15回くらい言わされた。i Pad に向かって" Hey Siri "と連呼している自分の姿を想像すると、情けないこと夥しい。認めたくないものだな、自分自身の滑舌の悪さというものを。
そんなこんなで、四苦八苦しながら i Pad proを設定しているところへ、iOSが10にバージョンアップするとのニュース。サポート対象外となった機種を見ると、i Pad 2 もしっかり入っている。やはり古くなっているのね。
Amebloからブログを移転しました
ずっとブログサービスはAmeba blogを使っていたのですが、スマートフォンで自分のブログをチェックする時に、やたらと余分な広告類が多かったため、引っ越しすることにしました。
旧ブログはこちら
2016年5月にブログを再開して以降の記事は、こちらへ転写・移行します。当面はこちらでよろしくです。
ロードバイクあるある(1)
ロードバイクを買ってから半年以上が経過したのを機に、それまでは知らなかった、この世界の「あるある」を書いてみます。
- 色々なパーツ(サドルとかハンドルとかホイールとかフレームとか)を別のものに交換してみたくなる。ふと気が付くと、交換で余ったパーツで、もう1台ロードバイクを組むことができたりする。
- サドルでお尻が痛くなりにくいよう、レーサーパンツ(レーパン)という尻パッド付きのタイツを履くのだが、ノーパンで履かないと股ずれを起こしやすい。最初はパンツの上から履くが、そのうちノーパンで履くことが気にならなくなる。
- お尻が痛くならないサドルを求めて、次から次へとサドルを買い替える。「サドル沼」と呼ばれるらしい。
- 自転車を買った時に付いてきたホイールを、もっと軽いものに換える。結構走りやすくなるのだが、最初の交換で安めのホイールを選択した方に多い現象とし て、もっと良いホイールを求める欲望に火が付き、結果としてホイール交換を繰り返してしまうことがある。この場合、交換回数とホイールの価格は比例するこ とが多く、また、軽くなる割合とその価格差の間には高いレバレッジがかかっていることから、交換回数の二条に比例して財布は軽くなる。
- 自転車のパーツ軽量化を指向してしまう。強度が同じで軽いパーツということは、より高いパーツということも意味するため、俗に100グラム1万円の法則 (投資額1万円あたりの軽量化効果は100グラムという説)と言われることもあるくらい、これには金がかかる。しかし、それより先に自分の体重を落とす方 が、よほど投資効率が良いという事実から目をそらしている人は、私も含め、多い。
- 最初は自転車に10万円以上を高いと感じていたのに、ロードバイクに乗って半年も経てば、50万円くらいは普通に有り得ると感じてしまう。
- ビンディングペダルでないと安心してペダルを踏めない。
- 「フレンチ」と聞くと、バルブの規格のことがまず頭に浮かぶ。
- 「自転車で100キロ走ってきた」と聞いても、凄いとは思わない。
まだまだ他にも、あるあるネタは沢山存在すると思うのですが、今回はここまで。
メイン楽器はトランペットだと強調しておこう
サックスについて書くことが多いが、たまには本業の楽器のことも書いてみよう。
現在、トランペットはB♭管が5本ある。このほか、ポケットトラ ンペットが1本、フリューゲルホーンは2本、他の金管楽器もあるので、金管楽器だけで10本所有している。でもまぁ、これくらいなら少ない方かもしれな い。知人は滅多にフリューゲルを吹かないのだが、それでもフリューゲルだけで6本持っていると言っていた。
画像は、メインで使える楽器だけ3本を撮影したもの。支柱の数が 2-1-0 と連番になっているのは、別に狙った訳じゃない。
一番下のラッカーの楽器は、ヤマハのYTR-6310Zという、今でも販売されている現行モデル。これがまた、極端な性質の楽器なのだが、僕はこれで喇叭 (らっぱ)を始めている。何が極端かというと、楽にバリバリ鳴るということに重点を置いて作られているところ。マーチングに向いているとのことで、アメリ カではZ(ズィー) Horn という呼称で有名らしい。この楽器、とにかく軽い。1キロも無いので、重量級のBachを持った後など、その軽さに感謝感激雨あられといったところ。当 然、管体の金属板は薄い。だから簡単にバリバリ鳴る。楽で良いのだけれど、これで深みのある音を出そうと思うと、それはそれで技量が必要だということに、 喇叭を始めて1年たってから気が付いた。この楽器を使っている間、自分の出す音が嫌いで、サックスを始める後押しをしてくれたという意味では、ありがたい 経験でもある。
ただし、この楽器が悪い楽器ということではない。この楽器でジャズ演奏の仕事をこなすプロの方もいらっしゃるので、全ては腕前の問題なのだ。
真ん中は、6310Z の後のメイン楽器となったSchilkeの S32 SP というモデル。新品で買うと、かなりの値段が付くものだが、中古で買ったので、それほどの散財はしていない。これは良いものだ。
素直な楽器なのだが、懐が深い。だから、多少雑に吹いても、それをカバーしてくれる。これまでの僕のライブ演奏は、ほとんどがこの楽器を使っていた。この 楽器で演奏していて、下手を打っても、誰も楽器が悪いためとは思わない。全て自分の腕前に起因すること。自分にも他人にも言い訳できない楽器ということ で、退路を断つ思いで入手したことを思い出す。
ちなみにSchilkeというのはアメリカの工房なのだが、ヤマハがトランペットを作り 始めてしばらくの間、提携していたところでもある。このため、ヤマハのトランペットの中にはSchilkeの影響が感じられるモデルが複数あり、 6310Z もその一つだった。だから、6310Z からSchilkeに楽器を換えた時、あまり違和感は無い。重さも、軽い部類に入るだろう。
これに対し、違和感があったのは、一番上に写っている楽器と、その楽器を買うときに下取りに出したBachの喇叭。Bachといっても、台湾製Bachや 定番180ML37SPとかではなく、ウィンドボナというレア物だった。ウィントン・マルサリスはモネットを使っているが、それより前に使っていたのが、 そのウィンドボナという楽器。これがまたジャジャ馬で、僕ごときでは扱いきれないと諦めて手放した。
では、そのジャジャ馬を下取りに入手した一番上の楽器は何か?
これも、ある意味で恐ろしい楽器なのだが、それについてはまた書く機会があるだろう。