ハンドル周りがスッキリ
これは、僕が真夜中に自転車で走る時の装備。猫目のVOLTシリーズを3~4本装着し、更に照射角がVOLTより広めのHL-EL540RCも付けている。重量は1キロを軽く超えるレベルだが、夜間に街路灯の無い道をある程度のスピードで走ろうと思うと、このくらいは欲しくなる。
これだけのライトをハンドルにセットすると、どうにもシフトワイヤー(ブレーキレバーの横から出ているもの)が邪魔に感じられる。シフトレバーはシマノのSORAだが、この一つ上のグレード(Tiagra)からは、シフトワイヤーもブレーキワイヤーと同じくハンドル沿いに装備できるのだ。そうすれば、ハンドルより前に、邪魔になるワイヤーの姿は見えなくなる。
ということで、シフトレバーを105(Tiagraより一つ上のグレード)に交換した。交換前と交換後は、こんな感じになっている。
かなりスッキリとした印象に変わった。とはいえ、この後に沢山のライトを装備するので、またゴテッとした感じに戻ることは確定。それだけが残念。
Mark7とB400のある生活
僕は現在、写真のテナー2本を、2か月くらいで交代させながら使っている。左はSelmer Mark7。多少なりとサックスの知識をお持ちの方であれば、Selmerというメーカー名は何度か目にしたことがあるだろう。サックスの定番メーカーと言っても過言ではないくらいに存在感のある、フランスのメーカー。右はBuescher 400という、古いアメリカ製のサックス。
1920年代からアメリカでは、Buescher、C.G. Conn、Martin、King(H.N.WHITE)といったメーカーが、それぞれ特色のあるサックスを製作していた。オールド・アメリカンと呼ばれるサックスだ。今でもConnの6M(alto)、10M(tenor)やKingのSuper 20などは、ファンが多い。ただし、この一連のアメリカ製サックスは、現代のサックスとテーブルキーの配置が違っている。現代のヤマハやヤナギサワを使っている方が、予備知識無しでオールド・アメリカンを手にしても、運指に戸惑うだろう。
僕が最初に入手したテナーはBuescherだった。その楽器でBuescherが気に入り、同社製品のトップモデルにあたる400を何年も探していたのだが、数が少ないため、なかなか出会えずにいた。ところが、一昨年と昨年、ひょんなことから400のアルトとテナーを入手。製造は1950年代だから、もう60年以上も前の楽器ということだが、問題なく使える。ダークな音色は、いかにもジャズ向け。ベル周りの補強や凝った彫刻、そしてキーガードを省略できるよう、ベルと二番管の間に向けて配置されたLow BとLow B♭のキーなど、現代のサックスよりも、かなり手間をかけて作られている様子が、見ているだけでも嬉しくなる。
さて、Selmerの方だが、ジャズを演奏する人が好んで使うのは、Mark6かSBA。そのなかでもアメセルと呼ばれる物(フランスから部品の状態でアメリカに輸出し、アメリカで組み立て・塗装を行ったもの)の方が、より人気がある。これに対し、僕が使っているのはMark7という、Mark6の後に発売された機種で、アメセルでもない。ジャズをやる人には、人気があるとは言いがたい選択肢だ。シリアル番号が287千番台なので、製造年は1977年。楽器店の扱いでは、一応ビンテージサックスに分類される。
ただ、これを入手した時、別にビンテージサックスが欲しかったわけではない。近代サックスを探しにいったのだが、結果としてMark7に魅せられてしまったのだ。
きっかけは、Selmerのアルトを使っている某同居人が、テナーを吹いてみたいと言ったこと。その時、彼女が慣れている近代的なキー配列のサックス、つまりテーブルキーがSelmer Mark6と同じタイプのテナーが無かったことから、近代サックスを買う気になった。候補はSelmerの中古で、SA80のシリーズ1か2。大久保の楽器店を回ったところ、シリーズ1は在庫が見つからない。このためシリーズ2を何本か試奏してみたのだが、どうにも音がきらびやか過ぎる気がしてしょうがない。そんな時、それほどシリーズ2と変わらない値段で出ていたMark7を見つけ、試奏で最初の音を出した瞬間に、シリーズ2よりも明らかに格上の、厚みのある音色にノックアウトされた。
僕はBuescherのキー配置に慣れているため、Selmerのキー配置には多少違和感を感じたものの、並行して使っていれば、結構慣れた。良い楽器で、多くの方がSelmerを使っているのも納得できる。
マウスピースとの愛称も、Mark7は万能だから、クラシック系でもジャズ系でもフュージョン系でも、いずれもOK。僕の場合だとARBのメタルを合わせている。
この2本を自由に使える今の環境って、けっこう贅沢だと思う。一人で練習を繰り返すだけでも楽しい。しかし、困ったことにこれではアルトやソプラノを吹く時間が取れない。どうしたものか(困)
ちなみに、僕の本業楽器はトランペットであることを最後に主張しておく。この投稿だけ読んだ方は、そんなこと想像できないかもしれないけど。
天国と地獄までいかないが
午前2時に目が覚めたので、午前4時に川崎市の自宅を出発し、多摩川沿いを遡上してきました。最終的には、小河内ダムのあたりで折り返し。このあたり、トンネルが多いのですが、午前9時頃のこのあたり、自動車、それも大型自動車の通行量が多く、トンネルを走るのが少々恐いんですよね。
日が昇るまでは、気温が20度くらいなので、かなり快適なんだけれど、その後の帰途は、ひたすら蒸し暑さとの闘い。熱中症にならないよう、いかに蒸し暑さを凌ぐかというと、塩分タブレットと、水分補給と、日陰での休憩しか手立てが無い。
山中に居るうちは、まだ良いんだけれど、青梅市街地に降りて以降は、とにかく蒸し暑さが体に堪える。単純に言えば、天国と地獄なのだが、地獄の業火はさすがにこれより熱いだろう。体調が悪くならないよう、とにかく自分の体との対話に心がける。こんな環境で、よくも150キロを走ったものだ。
それにしても、ホイールとタイヤを柔らかいものに換えていたから、まだ耐えられる。これが元のホイール・タイヤだったら、体へのダメージが大きくて、途中でリタイアしていたかも。
トランペットの話(ジャジャ馬の後継機は正直者)
ジャジャ馬を下取りに出して入手した、ある意味恐ろしい後継機について書いてみる。
【以前の記事】
上段の、支柱が2本ある方がその後継機、BSC TR-205 Allroundだ。
そもそもBSC(Brass Sound Creation)自体が、マイナーなハンドメイドの工房なので、知らない方も多いだろう。この工房が2006年からしばらく発売していたのが、このAllroundというモデル。これを書いている2016年には、カタログに無い。
どんな楽器なのかを紹介しているサイトを、参考までにご紹介する。
http://www.brasssoundcreation.org/TR203-E.HTM
http://www.select-inter.com/image/bsc/magazine/jl/jl0612.pdf
ちなみに、このAllroundを使うより前から、別のBSC製品を僕は愛用している。それがこれ。
http://www.select-inter.com/spring.html
たかがオイル、されどオイル。僕のシルキーのピストンをスムーズに動かすためには、これが最適だった。
さて、話が脱線しかけたが、このBSCという楽器の何が恐ろしいのか。それは、楽器に救いが無いというところ。シルキーはこの点、人格者(?)の楽器で、多少雑に吹いても、それなりに鳴ってくれる。しかしBSCは容赦がない。吹いたとおりの音しか出してくれないのだ。だから、BSCを吹くときは、シルキーを吹くときよりも神経を相当余計に使わなければならない。ジャズのアドリブを吹く時でも、アドリブの構成だけでなく、吹き方そのものに気を使う度合いが大きいので、これの吹き方をマスターしないことには、とてもじゃないが手の込んだアドリブは無理。
しかし逆に言うと、トランペットを習熟してゆく過程で溜まった自分流のクセを直すためには、すごく良い楽器とも言える。これをキチンと吹けるようになれば、大抵のトランペットは大丈夫だろうというのが、僕の師匠(Bachユーザー)がBSCを吹いての感想。なお、師匠は結構このBSCのことが気に入っているようだ。
というわけで、ここ数か月、ずっとシルキーを封印してBSCだけを使っている。最初の頃よりは、付き合い方に慣れてきたかもしれない。だが、正直者すぎる楽器の性格は相変わらずである。この楽器を御せるようになったら、シルキーももっと自由に吹けることを期待している。
ちなみに、参考で紹介したサイトでは、音程が正確と評価されていて、基本的にはそうだと思っているが、少なくとも僕の楽器については、正確ではないところが一部存在している。それは、開放でハイB♭の音程。ここがだいぶ低い。ちょっと高めのAといったところか。普段はほぼ使わない倍音なので、実害は殆ど無いのだが、たまに開放でミドルGを当てそこなった時にハイAの音が出るのには、ちょいと戸惑う。
ロードバイクあるある(2)
引き続き、それまで縁のなかったヒトがロードバイクに乗って気づいた「あるある」を並べてみましょう。本当にありがちな話から、ごく一部の方しか関係ないものまで、幅広くどうぞ。
- 腕は日焼けしていても、手の甲は日焼けしていない。
- 他のロードバイクを追い越す時、フレームに表示されているビルダー(メーカー)名に目が行く。
- 信号が赤になった時など、足を付かなくても良いよう、極力ゆっくり進んで時間調整する。
- 普段の服装は地味でも、サイクルジャージはド派手だったりする。
- 前方にスクーターが走っていると、抜き去ってみたい衝動にかられることがある。
- 乗り始めた頃は、ある程度の距離を走ると手のひらが痛くなってくるが、そのうち痛くならなくなる。
- 後方から接近してくるロードバイクが、カンパニョーロやフルクラムのホイールを使っている場合は、姿を見なくてもそれと分かる。
- 停車中は、盗まれるのが心配で、ロードバイクのそばから離れられない。
- 盗まれるのは心配だけれど、ロック用チェーンは華奢なものしか持参しない。
- 付ければ便利だと頭では分かるが、意地でもスタンドは付けない。
- 急な坂のことを「激坂」と表現してしまう。
ひねくれ音楽用語(2)
かつてtwitterに投稿していたものはここまで。そのうち、気が向いたら続編を書くかもしれません。
TAB譜:音楽の世界に入った若者ベーシストが、その先に進めないようにと、先輩ベーシストの悪だくみで巧妙に仕掛けられた足かせ。この足かせを自ら解除し、五線譜やコード譜に慣れなければ、他の世界には進めない。
個人レッスン:講師との組み合わせ次第で、精神修養の場から娯楽の場まで、ひどい講師だとボッタクリ営業の場から放置プレイにまで幅広く変化可能という、奥ゆかしい行事
デュオ:バンド編成の極北。2人しか居ないと、誤魔化しが効かないし、聴衆の耳を惹きつけるのも大変。それに、喧嘩した場合に仲裁してくれるメンバーが居ないから、解散まで行ってしまいがち。
ドリアン:これを見てトゲトゲの果物を思い浮かべた貴方は、音楽理論などという如何わしい教えに染まっていない、純粋な人だ。染まっちゃった人は、これを見ると「3度をフラットさせて、あと、ついでにどれをフラットさせたろか」なんてハァハァ妄想する。
ポケットトランペット:管を何周にも巻くことで、バスケットボール大の大きさを実現したトランペット。 手乗りサイズなので、バスケットボールのようにシュートすることも可能だが、リングネットに引っかかりやすいので、お薦めできない。
ライブ:打ち上げで飲むビールを美味しくするための、準備運動。
Fly me to the moon:エヴァンゲリオンのラストテーマとして作曲されたわけじゃない。
桜:1月から4月にかけ、J-POPの人々に目を付けられ、やたらと花を散らされるというイジメの対象となる、気の毒な樹木。
メタル:部品の材質を表す言葉。特にサックス奏者の場合には、マウスピースの材質を指している。特定の音楽ジャンルを指すと勘違いする人が、まれに居る。
ゲーマン:ミュージシャンが格好つけて言う ことがまれにあるが、「5万円」のこと。ゲーはドイツ語でのGであり、ドレミファソラシドでドから5番目のソを表す。でも、そんな恰好つけたがる程度のミュージシャンだと、ギャラはゲーマンよりはるかに少ない。
Take5:比較的有名なジャズの曲だが、色々と面倒くさい曲なので、リクエストすると演奏者から嫌がられる。
フリューゲルホーン:古くなったトランペット。長くトランペットを演奏していると、徐々に金属が柔らかくなって延びてゆき、10年くらいたつとこんな形になる。音色が元のトランペットより柔らかい。
オルガン:ジャズ愛聴家の中では、これの入った演奏を嫌う人が多い楽器。前置詞に「スターリンの」と付けると、別の意味で嫌われることがある。
アルトサックス:管楽器を演奏してみたいという人の多くが、その見た目の格好良さと手頃な大きさに騙され、つい買ってしまうという、詐欺まがいの楽器。金切り声や不快な騒音はすぐ出せるが、そうじゃない音を出せるようになるには、地道な練習が必要。
竿モノ:ギターやベースといった、竿状の指板を持つ楽器の総称。だからといって、ギターもベースも超絶技巧で弾ける男性に向かって「よっ、竿師」などと 声をかけてはいけない。
譜面台:ライブ演奏で、ステージを見苦しく演出するための小道具。
ひねくれ音楽用語(1)
辞書パロディの元祖的存在「悪魔の辞典」にヒントを得て、しばらく前に、”初心者向け音楽用語”というハッシュタグを付け、決して初心者向けとは言えない音楽用語(?)ネタを、twitterに書いていました。そのなかから、改めて世に曝してもいいかなと思えるものを、いくつかピックアップします。今回はその第1弾。
なお、一部、初出から編集しているものがあります。
サックス:特定の楽器個体に惑溺するプレイヤーの多い木管楽器。溺愛するあまり、自分の楽器に女性名を付ける男性がいるので、ジャズ隆盛期のアメリカで、ジャズ評論家がサックスを「金属のペニス」と評していたことは 内緒にしておこう。